伝統を守り続ける鍛冶職人信州打刃物 畑山充吉信州打刃物の歴史は、今をさかのぼる約450年前から始まったとされています。
川中島の合戦の当時、武具や刀剣類の修理のために信濃町へ移住して来た鍛冶職人に郷人が鍛冶の業を習い、次第に改良を加えながら、弟子から弟子へ、子から孫へとその技法が伝承されてきました。
現在は経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています。
信州打刃物といえば信州鎌江戸時代の後期にはその構造が確立していたとされている信州鎌。鎌全体の厚さ1/6という極めて薄い鋼(ハガネ)部分が特徴。
草が根元から刈れ、しかも刈り取った草が手元へ寄せられてくるという効果をねらった「芝付け」 加工、刃を薄くしても手元が狂わないよう刃面を内側に湾曲させる「つり」加工など独特の工夫がなされています。
手間を惜しまず努力を重ねて50年機械油の匂いとコークスが燃えさかる独特な匂い。そして鋼を打ちつけるハンマーの振動が地面を通じ足から体に伝わってくる。
これぞ鍛冶屋!
信濃町古間にある「信州打刃物」伝統工芸士の畑山充吉さん。鍛冶職人の家で育ち、高校卒業後は運送会社に勤務したが、父の勧めで家業に入り、その後自身の鍛冶場を設立。手間を惜しまず努力を重ねて50年。手打ちで一枚一枚、一丁一丁鍛え上げて製品を積み重ねています。鎌の他に鍬や包丁も手掛け、品質の良さは折り紙付き。しかし今でも一人前ではない「まだまだ良いものを作りたい」と追求心は衰えていません。

ニッポン手仕事図鑑×畑山刃物